労働力を売るという事
俺は社会不適合者だ。
なぜそう思うのか?それは労働力を簡単には売らないからである。
そもそも企業は労働者から労働力買うのだが、企業が提示する額で購入することとなる。
この行為や契約内容が気に入らない。
そして、労働力を売るという行為に伴うのが労働力証明書だ。
そこには、何年から何年まで務めていた企業など書かねばならず、
この労働力証明書を照らし合わせその者から労働力を買うか判断する。
これが正直煩わしいと思う、だから俺は社会不適合者と自覚している。
その上、責任感という圧力に苛まされ、世の中で言う正社員という立場になるのを
避けていた。
そして様々な派遣会社に登録。
気が向いた時にだけ労働力を売り、過ごしてきた。
そんな労働力の販売先を探してくれるのが派遣会社だが、
これが厄介なことに、労働力を売った金から搾取されてしまう。
それも一時的ならまだしもしも。
これが1時間の労働力から都度引かれてしまうため、こちらとしては労働力を安く提供してしまう事となる。
これも俺は気に入らない。
久しぶりに労働力を売りに行くことを決めた俺は、とある派遣会社に登録し労働力を提供することになった。
かれこれさてさてしかじかと、1年が過ぎようとしている矢先、新型コロナウイルスによる雇止めにあったのである。
さてさて、俺の人生は一体どうなってしまうのだろうか。